Windows 10、サポート終了…このまま使って大丈夫?今すぐできる安心対策
こんにちは!私も最初はすこし不安でした
「Windows 10のサポートが終わったって聞いたけど、このまま使っても大丈夫なの?」と不安に感じていませんか?
いつも大切にお使いのパソコン(PC)は、もう慣れた「Windows 10」で動いていますよね。インターネットで調べ物をしたり、お孫さんの写真を見たり、銀行の手続きをしたり、毎日の生活になくてはならないものです。
そんなWindows 10ですが、マイクロソフト(Microsoft)社による「サポート」が、2025年10月14日をもって、完全に終了しました。
「え、サポートが終わったらパソコンが壊れちゃうの?」と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。パソコン自体は、この日を境にいきなり使えなくなるわけではありません。そのまま電源を入れれば、今まで通り動きます。
しかし、そのまま使い続けるのは、実はとても危険な状態になってしまうのです。
💡 サポート終了は「家の定期点検が終了」するようなもの
パソコンのサポートは、家の定期点検に例えられます。これまでマイクロソフトは、屋根の補修(セキュリティの修正)、壁のひび割れ補修(不具合の修正)など、放っておくと危険な箇所を定期的に無料で修理してくれていました。しかし、サポート終了後は、この「点検サービス」が一切届かなくなります。家自体は壊れませんが、雨漏り(ウイルス感染)や泥棒の侵入(不正アクセス)のリスクが高まり続けます。
この記事では、パソコンが壊れないのになぜ危険なのか、そして、あなたが今すぐできる「3つの安心対策」を、専門用語を使わず、わかりやすくお話しします。
世界的な調査(StatCounter、2025年8月時点)では、Windows 10のシェアは約45%と推計されています。一方、日本国内の公開資料では、2025年2月時点で Windows 10 が約51%との報告もあります。いずれにせよ、世界でも日本でも、まだ4割〜5割のPCがWindows 10のまま使われているという状況です。
あなただけではありません。大丈夫です、一緒に解決策を見つけていきましょう。
⚠️ 重要な注意事項
この記事では、Windows 10を安全に使い続けるための代表的な方法をご紹介していますが、状況によっては他の選択肢もあります。セキュリティ対策は日々進化しているため、最新情報も合わせてご確認ください。また、重要なデータは必ずバックアップ(複製を別の場所に保存すること)を取ってから、設定変更や移行作業を行ってください。
サポートが「終わる」って、どういうこと?
パソコンのサポートというのは、例えて言うなら、あなたのパソコンを悪いものから守ってくれる「セキュリティの傘」のようなものです。
💡 セキュリティ更新プログラムは「家の修理パッチ」
インターネットの世界では、毎日、新しいウイルスや、あなたの情報を盗もうとする「悪い人たち(ハッカー)」が、OS(基本ソフト)の「セキュリティの穴」(脆弱性:ぜいじゃくせい)を探しています。これまでマイクロソフトは、その「穴」が見つかるたびに、急いで「セキュリティ更新プログラム」という修正のパッチ(ふた)を無償で配って、穴をふさいでくれていました。しかし、サポートが終了すると、この「修正のパッチ」が一切届かなくなってしまうのです。
「パソコンは壊れませんが、セキュリティの傘がなくなるイメージです」。
ウイルス対策ソフト(鍵)を入れていても、OSという「家の玄関の枠自体」が古くて壊れやすくなり、狙われやすくなってしまいます。
💡 Windows本体とウイルス対策ソフトの関係
Windows本体(OS)は「家の基礎や壁」、ウイルス対策ソフトは「玄関の鍵」に例えられます。どんなに頑丈な鍵(ウイルス対策ソフト)をかけていても、家の壁にひび割れ(セキュリティの穴)があれば、泥棒(ハッカー)はそこから侵入できてしまいます。サポート終了後は、壁のひび割れを修理してもらえなくなるため、家全体の防御力が下がり続けます。
サポート終了後も、一部の機能は動き続けます
誤解されやすい点ですが、サポート終了後も、Windows 10のMicrosoft Defender(マイクロソフト ディフェンダー:Windows標準のウイルス対策機能)など標準セキュリティ機能自体は動作し、ウイルス定義(ウイルスを見分けるためのデータ)の更新も2028年まで提供されます。
ただし、OS本体の脆弱性修正(セキュリティの穴をふさぐ作業)は(後述のESUを除き)提供されなくなるため、防御の”土台”が古くなり続けるという意味でリスクが高まります。
放置すると、どんな怖いことが起こるの?
セキュリティの傘がなくなると、以下のような、あなたの生活や財産を脅かす、取り返しのつかない被害につながるリスクが高まります。
1. 大切な情報が盗まれる
インターネットでの買い物や、ネットバンキング(オンラインでの銀行手続き)、メールでのやり取りなどで入力した「IDやパスワード」などの個人情報が、悪い人に知られてしまうかもしれません。
💡 情報漏えいは「財布をすられる」ようなもの
セキュリティの穴から個人情報が盗まれるのは、満員電車で財布をすられるようなものです。気づかないうちに、あなたの銀行口座の暗証番号やクレジットカード情報が盗まれ、身に覚えのない請求が来たり、ネットバンキングを乗っ取られてお金を盗まれたりする被害が現実に起こっています。
2. 身に覚えのない請求が来る/データが人質に取られる
「ランサムウェア」という悪質なウイルスにより、家族の写真や、作成した年賀状のデータが勝手に暗号化されてしまい、二度と開けなくなってしまうことがあります。また、暗号を解除するために「お金(身代金)」を請求されるかもしれません。
💡 ランサムウェアは「データの誘拐犯」
ランサムウェアは、あなたの大切なデータを誘拐して「返してほしければお金を払え」と脅してくる犯罪です。家族の写真、作成した文書、すべてのデータが鍵をかけられて開けなくなり、「解除してほしければ〇万円払え」とパソコン画面に表示されます。お金を払っても、データが戻ってくる保証はありません。
3. 周辺機器やアプリが使えなくなる
新しいプリンターやスキャナーを買っても、Windows 10に対応せず、動かなくなってしまう可能性が高まります。また、使っていた家計簿ソフトや年賀状ソフトも、新しい機能に対応しなくなり、動作が不安定になる、または使えなくなるかもしれません。
サポート終了後に起こりうるリスク
- ウイルス感染、マルウェア(悪意のあるソフト)による被害
- 個人情報(ID、パスワード、クレジットカード情報等)の漏えい
- ネットバンキングの乗っ取り、不正送金
- ランサムウェアによるデータの暗号化、身代金要求
- 新しいプリンター、スキャナー等の周辺機器が使えない
- 家計簿ソフト、年賀状ソフト等のアプリが動作不安定になる
- 最新のWebサービスが利用できなくなる可能性
今すぐできる!3つの安心対策
このようなリスクを回避するために、マイクロソフトが公式に推奨している対策は主に3つあります。ご自身のパソコンの状況に合わせて、最適なものを選びましょう。
対策 1:「Windows 11」に無料でアップグレードする
もし今お使いのWindows 10のパソコンが「Windows 11」の条件を満たしていれば、無償(無料)で新しいOSにすることができます。
これが一番安全で簡単な方法です。
【安心材料】Windows 11って使いにくい?
「新しいOSは、操作が変わるから嫌だな」という声をよく聞きますが、ご安心ください。Windows 11は、画面が少し変わりますが、慣れるとむしろ使いやすいですよ。
例えば、画面の下にある「スタートボタン」が真ん中に寄ったり、複数の窓をきれいに並べやすくなるなど、より直感的で、誰にとっても使いやすく進化しています。
自分のパソコンが「Windows 11」に対応しているかを確認する超丁寧手順
「Windows 11へのアップグレードオプション」というメッセージが表示されている場合:
→ あなたのパソコンはアップグレードの条件を満たしています。そのまま手順に進んで、無料でアップグレードしましょう。
「Windows 11を実行するための必要条件を満たしていません」と表示された場合:
→ 残念ながらあなたのパソコンは古すぎるため、アップグレードはできません。次の「対策2」に進んでください。
💡 Windows 11の対応条件は「建物の耐震基準」のようなもの
Windows 11の対応条件(TPM 2.0という特別なセキュリティ機能や、新しい世代のCPU等)は、建物の耐震基準に例えられます。古い建物(古いパソコン)は、新しい耐震基準(Windows 11の条件)を満たしていないため、そのままでは使えません。基礎から建て直す(買い替え)必要があります。
アップグレードに必要な主な条件は、「TPM 2.0(ティーピーエム 2.0:パソコンに内蔵された特別なセキュリティ部品)」という機能や、新しい世代のCPU(Intel 第8世代以降やAMD Ryzen 2000シリーズ以降など)が含まれます。
これらの対応CPUを搭載しているPCでは、2017〜2018年頃以降のモデルであってもWindows 11に対応していることが多いです。正確には、Microsoftの対応CPU一覧や『PC 正常性チェック』ツールで確認してください。
対策 2:新しい「Windows 11搭載パソコン」に買い替える
もし、今のパソコンが「Windows 11に対応していません」と表示された場合は、この機会に新しいパソコンへの買い替えを強くおすすめします。
一般的な買い替えの目安として5〜7年程度と語られることが多いですが、使用環境や部品の品質によってそれより長く使える場合もあれば、早めに故障する場合もあります。無理に使い続けるよりも、新しいパソコンの方が圧倒的に安全で快適です。
買い替えは「今が一番お得」な理由
「まだ動くのにもったいない」と感じるかもしれませんが、実は今こそが買い替えのベストタイミングです。
サポート終了日が近づくと、多くの方が一斉にパソコンを買い替える「駆け込み需要」が発生し、以下の問題が起こる可能性が高まります。
買い替えを先延ばしするリスク
- 品薄になる:あなたが欲しい機種や、お得な価格のパソコンが、在庫切れになってしまう
- 価格が高くなる:需要が高まることで、パソコンの価格自体が高騰してしまうかもしれない
- 納期が遅れる:注文しても、手元に届くまでに時間がかかってしまい、移行が間に合わなくなる
早めに買い替えることで、ご自身の予算や用途に合った最新の、安心できるパソコンをじっくり選ぶことができます。
データ移行や設定の不安も大丈夫
新しいパソコンへの移行で一番不安なのは、「写真や書類のデータ」や「メールの設定」がきちんと移せるか、ということですよね。
ご心配いりません。最近は、マイクロソフトの「Windows バックアップ」機能や、専用のソフトを使うことで、以前よりずっと簡単にデータを移せるようになっています。
💡 データ移行は「引っ越し」のようなもの
古いパソコンから新しいパソコンへのデータ移行は、家の引っ越しに例えられます。大切な荷物(データ)を、引っ越し業者(Windowsバックアップ機能や専用ソフト)が、古い家(古いパソコン)から新しい家(新しいパソコン)に運んでくれます。自分で一つ一つ運ぶ(手動でコピーする)必要はありません。
もし操作が不安な場合は、近くの家電量販店やパソコン専門店(パソコン工房など)、またはパソコン教室などで、データ移行を丁寧に手伝ってもらうことができます。プロに頼んで、安全に移行を完了させましょう。
対策 3:どうしても今のまま使いたい人向けの対策
「どうしてもすぐに買い替えられない」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、あくまで「一時しのぎ」ですが、セキュリティリスクを最小限に抑える対策があります。
① Microsoftの「有料延長サポート」(ESU)を利用する
マイクロソフトは、サポート終了後も、重要なセキュリティ更新プログラムを有償で提供する「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU:イーエスユー)」というサービスを用意しています。
⚠️ 【重要】個人向けと企業向けの違い
個人向け(Home / Pro): Windows 10 version 22H2 を対象に、1回の契約で2026年10月13日までの”1年間”分の重要・緊急のセキュリティ更新のみが配信されます。
企業・教育機関向け: 最長3年間(〜2028年10月10日)利用できる別プログラムがあります。
個人向けには『2年目・3年目』は用意されておらず、3年間の延長は企業・教育機関向けプランのみです。
費用(個人向け)
個人ユーザーは、Windows 10 version 22H2 を使っていれば、1年分(2026年10月13日まで)のESUを以下のいずれかの方法で利用できます:
① 無料(特定条件)
Windows バックアップ機能を使ってMicrosoft アカウントとOneDrive(ワンドライブ:マイクロソフトのクラウドストレージサービス)で設定を同期する
② Microsoft Rewards 1,000ポイント
マイクロソフトのポイントプログラムで貯めたポイントで取得
③ 約30米ドルの有料購入
直接購入する方法
しかし、ESUは「機能の追加や、バグの修正」は含まれないため、パソコンが不安定になったり、新しいアプリが使えなくなったりする問題は解決できません。
これは、新しいPCへの移行のための「時間稼ぎ」だと考えて、ESUを使っている間に、買い替えの準備を進めることが大切です。
② セキュリティ対策を強化する
サポート終了後も、Windows 10のMicrosoft Defenderなど標準セキュリティ機能自体は動作し、ウイルス定義の更新も2028年まで提供されます。
ただしOS本体の脆弱性修正は(ESUを除き)提供されなくなるため、防御の”土台”が古くなり続けるという意味でリスクが高まります。
そのため、以下の対策を徹底してください。
セキュリティ対策の強化方法
- 高性能なセキュリティソフトを導入する:サードパーティ(別の会社)のウイルス対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保ちましょう
- インターネットを遮断する:最も安全なのは、インターネットに一切接続せず、オフラインだけで利用することです
- 重要なデータは必ずバックアップを取る:外付けハードディスクやクラウドストレージに定期的にコピーを保存
- 怪しいメールやリンクは絶対に開かない:フィッシング詐欺に注意
- 不要なソフトはアンインストールする:攻撃の入口を減らす
まとめ:Windows 10サポート終了後の安心対策
この記事では、Windows 10のサポート終了について、初心者の方にもわかりやすく解説しました:
- サポート終了の意味: 2025年10月14日以降、セキュリティの修正パッチが届かなくなる
パソコン自体は動きますが、ウイルス感染や情報漏えいのリスクが高まり続けます。Microsoft Defenderのウイルス定義更新は2028年まで継続しますが、OS本体の脆弱性修正は止まります。
- 放置すると起こるリスク: 個人情報漏えい、ランサムウェア被害、周辺機器の非対応など
ネットバンキングの乗っ取り、データの暗号化、新しいプリンターが使えないなど、生活に直結する被害が起こる可能性があります。
- 3つの安心対策: Windows 11への無料アップグレード、新しいPCへの買い替え、ESU利用
最も安全なのはWindows 11への移行または買い替え。ESU(個人向けは1年間のみ)は一時的な対策として検討できますが、新しいPCへの移行準備期間と考えてください。
Windows 10のサポート終了は、ただの「システム終了」ではなく、私たちがインターネットを安全に使えるかどうかの「安全ライン」が確実に変わることを意味します。
サポートが終了した今、「まだ使える」と「もう守られない」という危機感をしっかり持つことが、あなたの大切な財産や家族のデータを守る第一歩となります。
Windows 11への移行や買い替えは、新しいセキュリティ機能や快適な操作性を手に入れる、大きなチャンスでもあります。
もし一人で設定するのが不安な場合は、お近くのパソコン教室で講師に相談するのも良いでしょう。教室では、講師が隣でサポートしながら、Windows 11への移行やデータ移行を安心して進められます。
最初の一歩が不安な方は、どうか一人で悩まずに、専門家のサポートを頼ってください。近くの家電量販店やパソコン教室では、Windows 11への移行や買い替えに関する無料相談もできますよ。
「明日、相談に行ってみよう」という気持ちで、ぜひ一歩を踏み出してください。








